単身赴任手当の現実
何かとお金がかかる単身赴任生活、、、会社からの手当があるとなしとでは生活が大きく変わってきますね。
実際のところ、単身赴任手当の現実はどのようになっているのでしょうか??
スポンサーリンク
もちろん、会社によって違いますが、単身赴任手当の一般的な相場を見てみましょう。
単身赴任手当の支給条件
たとえば国家公務員の場合は。。。。
人事院規則九―八九(単身赴任手当)
単身赴任手当の支給については、別に定める場合を除き、この規則の定めるところによる。
『やむを得ない事情』
『やむを得ない事情』とは下記のことのようです。
○【職員若しくは配偶者の父母又は同居の親族を介護する必要がある】
配偶者、例えば奥さんが近くに住む夫や自分の両親を介護していたり、同居の親族の介護をしていたりする場合、奥さんも一緒に引っ越すことで介護の継続が困難になります。
○【配偶者が学校その他の教育施設に在学している同居の子を養育する必要がある】
家族で引っ越すという選択肢を選ぶ方もいらっしゃるかもしれませんが、進学などの都合で必ずしもそそうはいかないこともあります。子供の学業継続のために妻が残る場合にも認められます。
○【配偶者が現在働いており、これからも働くこと】
せっかく勤めている会社を辞めるともったいない。。。という共働きのご家庭であればこれが当てはまりますね。
○【配偶者が職員又は配偶者の所有に係る住宅を管理するため、引き続き当該住宅に居住すること】
持ち家であれば、手放すにせよ借家にするにせよ、そう簡単にはいきません。数年で戻ってくるケースもあり、その間は妻が家を守ることを選んだ場合はこちらの事情に該当します。
また、これらの事情に類する事情で配偶者と同居出来ないと認められた場合は該当します。
ケースバイケースのようですが、国家公務員の方やこの規則に準じた就業規則を持つ会社にお勤めの方であれば『賃貸住宅や社宅に暮らす子供のいない専業主婦との2人暮らし』のご家庭は、単身赴任手当が支給されない可能性がありそうです。
住民票はそのままでもいいの!?
税扶養などの文言によく「生計を一にする」というのがでてきますよね。これを考えるとできれば同一世帯、住民票は移さないほうがベターのような気がしますが。。。
住民票は赴任手当の支給にどのように影響するのでしょうか?
単身赴任手当を支給されるに当たり、住民票を移す必要があるかどうかについては、手当を支給する会社や官公庁の運用によるようです。
人事院の単身赴任手当の運用に関する通知文書によると、単身赴任手当の要件を備えていることを確認するために、住民票などの別居をしていることを証明出来る書類が必要であると明記されています。
必要ということであれば移すほかない、ということになるでしょうが、実際は「どのくらいの期間になるか」「生活の拠点がどこか」で判断するというケースが多いようです。
会社によっては住民票ではなく単身赴任先の公共料金の領収証や家賃の振込記録でもOKという場合もあります。
会社が手当の支給にあたり何を必要するか確認したうえで検討してみる必要があります。
通勤距離との関係は?
単身赴任手当は、単身生活をせざるを得ない家庭事情の他に、通勤距離も関係します。
異動することで、通勤距離が【60キロメートル】以上になることで単身赴任を認められることになるそうです。
また、60キロメートル未満でも【通勤方法、通勤時間、交通機関の状況等から通勤が困難である】と認められた場合も手当が支給されます。
交通の便が悪く現実的には日帰り出来ない場合には単身赴任もやむなし、ということになりそうです。
手当はいくら!?
中央労働委員会による平成24年賃金事情等総合調査によると、単身赴任手当を支給している会社の平均額は38,700円とのことです。
この手当でどこまでを補填するかは会社によりますが、成人1人の衣食住を賄うには少なすぎますね。
また、国家公務員の給与について定められている「一般職の職員の給与に関する法律」によると、単身赴任手当は月額【3万円】が基準額です。
その上に、自宅から離れることとなった距離に応じて加算額が加わることで最高【7万円】までの幅で決定しているようです。
官舎や社宅、賃貸でも、住居が別の二重生活で生活費も別で…と言う状態で3万円は厳しい金額ですね。おそらく逆ザヤです。
距離による加算がある場合
単身赴任手当にプラスされる加算額は、通勤手当で距離を測る時と同様に「最も経済的かつ合理的と認められる通常の交通の経路及び方法」により、単身赴任先の住居から配偶者の住居までの距離を算出し、算定されます。
そしてその距離が【100キロメートル以上】の場合にのみ、加算額が支給されます。
人事院規則によると、、、加算額は以下の区分に応じて支給されます。
・100km以上300km未満8,000円
・300kmル以上500km未満16,000円
・500km以上700キkm未満24,000円
・700km以上900km未満32,000円
・900km以上1,100km未満40,000円
・1,100km以上1,300km未満46,000円
・1,300km以上1,500km未満52,000円
・1,500km以上2,000km未満58,000円
・2,000km以上2,500km未満64,000円
・2,500kmル以上70,000円
・300kmル以上500km未満16,000円
・500km以上700キkm未満24,000円
・700km以上900km未満32,000円
・900km以上1,100km未満40,000円
・1,100km以上1,300km未満46,000円
・1,300km以上1,500km未満52,000円
・1,500km以上2,000km未満58,000円
・2,000km以上2,500km未満64,000円
・2,500kmル以上70,000円
一般の会社もこの数字に準じている場合もけっこう多いようです。
職制による加算
文字通り、偉い人の方が手当が多い、ということですが。。。
金額は会社によって職制が異なるため、どのくらい、とは言えませんが、個人的には生活にかかる経費は人間そんなに変わるものではないので、あまり差をつけられるのは納得いきません。
管理職の方が単身赴任のリスクが高いから。。。という側面もあるとは思いますが。
単身赴任手当なしは違法!??
結論をいうと就業規則に定められていないのであれば単身赴任手当なしもありえます。
働けば給料をもらうことは当然です。これは労働基準法で定められている最低賃金を下回ることも許されません。
ただし、それ以外の諸手当については法律で支払いが定められている訳ではないのです。
一方、10名以上在籍する会社には〈就業規則〉を作ることが定められています。その就業規則により単身赴任手当を含めた各種手当やその支給条件が明記されていれば、会社はその条件通りの支払いをしなければなりません。
単身赴任手当の支給は労働基準法で義務付けられている訳ではないのです。
そうはいっても会社からの命令で家族が2分されるのであれば、家庭は経済的にも精神的にも大きな影響を受けることになります。
もし会社として単身赴任の前例がない場合などは、手当の創設を検討してもらうよい機会でもありますね。
手当という形ではなくてもアパートを用意してもらう(借り上げ)など他の方法もあります。
単身赴任を急に命じられた場合でも落ち着いて、どのくらい負担となるかを明確にして、会社と交渉する余地はありそうです。
身赴任手当は非課税!?
単身赴任手当が支給されるのは嬉しいことですが、収入が増える分税金は!?という疑問がわいてきます。
結論としては、単身赴任手当は非課税ではありません。すべて課税対象です。
国税庁ホームページによると
・単身赴任手当は、職務のため家族と離れて生活することになり、単身赴任ではない勤務者と比べて生活費等の負担が大きくなることに配慮して支給される手当である。
・その単身赴任手当は給与等の補填として支給されるものと考えられ、所得税においても非課税所得に該当せず、給与所得に該当するものとする。
つまり、現在支給されている給与に加えて、単身赴任していない社員とバランスを取るために生活費の補助として支給される手当であり、給与であるということです。
給与であれば所得税の対象になるため、非課税とはなりません。
給与所得の一部なので、社会保険料を算定するうえで総支給額が増えた場合には、社会保険料も上がる可能性があります。
その他住民税や、子供の保育園料算定に係る所得判定などにも関わってきます。
生活費するための「経費」である手当てなのに税金ばかり増える…というのは納得できませんが、給与が増えたという解釈になるため、このような取り扱いになってしまいます。
単身赴任が決まった場合に大切なことは、まず「会社の制度をしっかり確認」し、「交渉できそうなところは交渉する」ということなんですね。
スポンサーリンク
ディスカッション
コメント一覧
まだ、コメントがありません